嘘ごと、愛して。
誕生日会当日は、うちの家族と裕貴の家族が集結する。この機会を利用しようと思った。
その日、まずは裕貴と、晴人さんと3人で話す。
説得しても裕貴が折れない場合、両親たちを交えて話す。
それが一番良い解決策であると私たちなりに考えた。
真凛の言葉であったらうちの両親は100%信じるだろう。相手方の両親がどう思うかは分からないが、裕貴の監視を含めて今後のことを頼みたい。
警察にはそこでの話し合いの結果を見て、通報すれば良い。
3人での話し合いで裕貴が反省してくれれば、そこで解決だ。
そう上手くはいかないだろうが、同じ時間を過ごしてきたからこそ、
裕貴を信じたい。
甘いかもしれないが、まだ裕貴を信じる気持ちを捨てられない。
人は過ちを犯すことがあって、裕貴も例外ではなかっただけだ。
けれど裕貴には、反省する心が、きっとある。
3人で過ごした日々が、私の頭から消すことがどうしてもできないように、裕貴の心にもきっと、残っている。
本当に真凛を手に入れたいのなら、こんな生温い手段で済ませるはずがない。
裕貴の中に"常識"があるから、真凛を言葉で縛る以外の酷いことはしないんだ。
裕貴は、真凛に危害を加えることなんて、絶対にできやしない。