嘘ごと、愛して。
あー、うるさい。
こっちは寝不足なんだよ。
帰る気配のない正義を無視して、ベッドに向かう。
「…なっ!」
しかしベッドにたどり着く前に、温かい手が私の手首を掴んだ。
払うどころか、突然のことに驚き、静止した私を見て、彼はまた声に出して笑った。
むかつく。
「あははっ。驚いた?」
「…いったい、なに?」
ねぇ、何がそんなに楽しいの?
「俺たち、付き合わない?」
「……」
またか。
ここに立っているのは、村山志真だというのに。
中身が入れ代わっていることも知らず、
告白してくる男って、本当にバカ。