嘘ごと、愛して。
すぐに追い掛けたけれど、正義の姿は見つからなかった。
急ぎ足で駅前のコンビニに向かう。
駅前には2件のコンビニがあるが、分かりやすいよう、彼は入り口の雑誌コーナーに居てくれた。
「よっ」
「お待たせしました」
この一週間、学校では何度も話したが、外で待ち合わせすることは初めてで、新鮮だった。
「なに食いたい?」
「…勉強は?」
「じゃぁファミレスでも行くか。勉強できるし」
今、こうして放課後の時間を正義と共有しているが、もし此処にいるのが私でなく、妹であったなら。
彼女は部屋に引きこもることよりも、正義といる時間を選ぶはずだ。
その後ろめたさがつきまとう。
今日だけじゃない、正義と一緒にいる限り、私はその後ろめたさを抱えていなければならない。
じゃぁ、どうして正義はーー真凛をフッたの?
あんなに完璧で良い女の子を。