嘘ごと、愛して。


「ごめんね、待った?」


正義に電話をかけようとしたタイミングで裕貴からメールが入り、待ち合わせをした。

晴人さんと上手く話せたか気にしている様子の裕貴を安心させたかった。


「慌てなくて良かったのに」

「ううん。誕生日プレゼントも選びたいし」


生徒会終わりの裕貴と、ショッピングモールで待ち合わせをした。平日だというのに、相変わらず人が多い。


「晴人さんどうだった?」

「良い人だったよ。真凛の元彼で、私が志真だっていうことも知ってたみたい」

「他には?」

「まだ真凛のことが好きだって」

「そうなんだ」

「正直、真凛のことで知らないことがあったなんて、驚いてる」

「…寂しいな」


裕貴の言葉にこくこくと頷く。

そうなのだ、私たち3人の間に隠しごとはないと思っていたから、寂しい気持ちになる。
やっぱりこの気持ちを共有できる人は裕貴だけだ。
裕貴が居てくれて本当に良かった。


どうして晴人さんのこと、真凛は話してくれなかったのだろう。


「今度、裕貴に晴人さんを紹介するね。今は3年C組らしいけど、同じクラスになったことある?」


「いや、一度も。今度話したいな」

「うん。…それじゃぁ、買いに行くとしますか?」

「そうだね」


真凛には申し訳ないが気分転換も必要だ。
今度のお休みに、ショッピングしようと真凛を誘ってみようかな。


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