彼を好きになるまであと、8秒.
「たとえ、本当にあいつがあかりのことを友達以下だと思っていたとしてさ、
そんな人のために毎日送り迎えしたり、先輩に呼び出されたときに守ってくれたり.....そういうことってするものなのかな。」
香織は、何が言いたいの?
香織が何を言いたいのか分からないけど、1つだけ間違っていることがある。
「先輩の呼び出しのときは守ってもらたっていうか....
きっと、私じゃなくても助けると思うの」
―――そう。
あれは、たまたま先輩から呼び出されたのが私だっただけ。
運よく、優くんがあの場所を通ったから私を助けてくれただけ。
優くんなら、私じゃなくて他の人が絡まれていたら、助けると思う。
「まあ、それはそうかもだけど....。
だけど、守ってもらったことに変わりはないでしょう?」
眉を眉間に寄せて、難しそうな顔をした後、すぐにニコリと笑った香織。