彼を好きになるまであと、8秒.
私と優くんの関係性に名前なんて、無理に付けなくてもいいのかもしれない。
クラスメイト。
今はそれだけで、十分。
「あかりは、あかりらしく自分のペースでいいのよ」
私、らしく....か。
「香織、ありがとう」
香織に話して、どこかしらスッキリした私は、残りのお弁当に手を付けた瞬間。
「あっ!」
香織が何かを思い出したように、私の顔をバッと見た。
「な、なに?」
そんな勢いよく私の顔を見てなんなんだろう。
「あんたね!!」
先輩に呼び出されたことを香織に話さず、黙っていたのを忘れていた私は、それについて心配させて軽く怒られたのは、言うまでもない――。