彼を好きになるまであと、8秒.
「す、き...」
好きになってたんだー...。
そう自覚した途端、沸々と全身に熱が注れたように熱くなった。
今、優くんの隣にいれるこの時間がすごく幸せに感じられた。
「...り...あ」
でも、優くんは私のことなんて好きじゃないよね。
だって、あくまで見張りだもん。
どうやって優くんに好きになってもらったらいいんだろう...
そもそも私、男性恐怖症だから自分からアタックなんて無理っ
まずは、優くんと目を合わせられるように頑張らなきゃ...!
なんて色々考えていたら、
「り....あかり!」
私の頭上から大きな声が聞こえた。
「はいっ!」
「やっと返事した」
口元に視線を向けると、口角が上がっているのがわかる。
怒っていないようだ。
「ご、ごめんね」
「体調悪い?」
「ううん、違うの。
ちょっと考え事...してて」
「考え事?今日のテストのこと?」
不思議そうに首を傾げた。
「そ、そんな感じ、かな」
優くんのことを考えてました!なんて言えない...
優くんにこんな自分を見られたくなくて、プイッと顔を反対側に向けた。
「あっ」
声と一緒にピタリと足を止めた私。