彼を好きになるまであと、8秒.
夏祭りの約束をしてから2週間がたった。
明日は、待ちにまった夏祭り。
今日は、大地と香織と一緒に私の浴衣を買いに行く。
実は、まだ大地と香織に伝えきれていないことがある。
それは、明日の夏祭りに一緒に行けないってことー。
本当は伝える機会はたくさんあったんだけど、なんて言ったらいいのか分からなくて
ズルズルと今日まで来てしまったのだ。
流石に今日には言わないといけない。
でも、なんて言ったらいいの...
なんて自分の部屋で悩んでいると、コンコンと扉をノックする音が聞こえた。
「姉ちゃん、準備できた?」
扉を開けながら、恐る恐る扉の隙間から顔を入れ私を見てきた大地。
「うん、大丈夫だよ!
行こっか?」
私がそう言うと、コクリと頷き、一緒に香織と待ち合わせした場所に向かったー。
.
「お〜い、大地、あかり〜」
私たちを見つけるや否や手を振ってくれた。
少し時間の余裕を持って待ち合わせ場所に向かったはずなのに、待ち合わせ場所にすでにいた香織。
「香織、早くない?」
大地がそう聞くと「ちょっとブラブラしててさ」と言った香織。
「香織、ブラブラしてていいの?
夏休みの宿題はもうおわったの?」
大地は意地悪そうにニタリと笑いながら聞く。
しかし、香織は勝ち誇ったようにニコリと笑い返した。
「後少しかな。なんだかんだ夏休みも学校行ってるからね〜。
その時にあかりと一緒に宿題をしてるんです〜」
「何だよ、それ!ずりい〜、結局、姉ちゃんのおかげじゃん!」
「あかりは私の親友だからね〜」
「それ、関係ないじゃん!」
いつものように言い合いをしている大地と香織。