彼を好きになるまであと、8秒.
キーッと彼の目を睨んで、目で訴える。
高杉優は、私の視線に気づき、嬉しそうに微笑んだあと、自分の席に何事もなく座った。
その瞬間に「どういうことなの!?」と、小声で彼を見ながら、香織に問いただされる私。
私だって、聞きたい。
どういうこと!?って。
当の本人が1番理解していないんだから。
困った顔をしていると、キーンコーンと朝のHR(ホームルーム)のチャイム音が鳴った。
「お昼休みに聞かせてもらうからね!」
香織は、私の肩をポンッと軽く叩いて自分の戻って行った。