彼を好きになるまであと、8秒.






―――キーン、コーン。




帰りのHRが終わるチャイムが学校中に響いた。




私は、鞄に教科書などを入れて、帰る用意をし、机から立ち上がった。




今日は、香織の部活がある日だから、一人で帰る。




荷物を持って、教室を出ようとすると――。




「あかり、何先に帰ろうとしてんの?」




私の後ろから、甘く透き通った悪魔の囁き声が聞こえた。




私は、ゆっくりと後ろを振り向く。




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