彼を好きになるまであと、8秒.






頑張る?何を?


香織の言いたいことが全く分からない。




「え?」



「ううん、何でもないよ。
それよりも、学園の王子様と一緒に電車に乗ったのよね?」



「うん」



「大丈夫だったの?」




女性専用車両に乗っていないことをわかっているのか、確信的な言葉で私に聞いてきた。




「ううん、震えた。怖かった......っ」




本当に怖かった。
あの時のことを思い出して。




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