彼を好きになるまであと、8秒.
「あかりは、もう関わりたくないって思ってそうだけど。
だけど、私は昨日も言ったけど、あいつ悪い奴じゃないと思うよ。」
........確かに。
高杉優は、悪い人ではない。
だって、駅から学校まであんなに心配してくれたし。
なんだかんだ気を使ってくれているんだと思う。
それに、私の体が彼を拒否しなかった。
理由がどうあれ、拒否をしなかったってことは、彼は大丈夫だって言っているようなもの。
「それにね、あかりの男苦手がこのまま克服できたらいいなって、思ってる」
香織が本当は心のどこかでそう思っていたのは、薄々わかっていた。
だけど、私に治す意思がなかったから。