彼を好きになるまであと、8秒.
だから、今まで言わないでいたんだと思う。
「でも、男なんて......」
―――――みんな同じ。
付き合っても、きっと......。
あの時のことを思い出したら、少しずつカタカタと震えだす私の体。
――ギュッ
私の手に香織の暖かい手が重ねられた。
「大丈夫、ゆっくりでいいから。
あかりのペースでいいのよ」
香織の顔を見ると、怯えている子供を包み込むような優しい表情で微笑んでいた。