彼を好きになるまであと、8秒.






さっきから香織と高杉優の間に火花が散っているように見えるのは、気のせいかな。




「......チッ」




チッ?
高杉優が、舌打ち?




後ろを勢いよく振り向くと、ニコリと微笑んでいる高杉優の顔。




.......気のせい、だったみたい。




私は、すぐに高杉優から視線を外し、自分の足元を見る。




そして。




「あかり、帰ろう」




高杉優は、もう一度、私にそう言った。




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