彼を好きになるまであと、8秒.
優くんと一緒に教室に入ると、一斉にこっちを見るクラスメイトたち。
コソコソとこちらを見ては、友達と何かを言っている人や、わざわざ教室まで見に来る他のクラスの人たち。
見慣れた、この光景。
「飽きないわね、ほんと」
私の後ろからいつも聞きなれた、大人びた綺麗な声が聞こえた。
後ろを振り向くと。
「おはよう、香織」
「おはよう、あかり」
香織が荷物を持ちながら、私の後ろに立っていた。