彼を好きになるまであと、8秒.
「うん」
「よかった」
安心したのか、香織の口角がゆっくりとあがった。
自分でもびっくりしているくらい、いじめは全くない。
無視もないし、わざと悪口を大きな声で言われることもない。
靴もちゃんと靴箱に入っているし、教科書にも落書きなんてない。
それに、まだ先輩や他クラスからも呼び出しもない。
私の求めていた平和な学校生活とは違うけど.....
学園の王子様と言われている優くんと関わっているわりには、平和は学校生活を送っている......と思ってたりする。
「心配してくれてありがとうね、香織」