初恋とチョコレートと花束と。
大きな音を立てて開いたドアに、教室の中にいた全員が注目する。
・・・と思ってたら、そうじゃなかった。
まぁ、何人かはこっちを見たけれど。
よく見れば、教室には10人ちょっとのクラスメイトしかいなくて。
なんでだろう?と不思議に思ったけれど、壁の時計を見てその理由に気がついた。
——今、昼休みじゃん。
そういえば、さっきチャイムがなってたっけ。
それから、保健室から出た時にボールを持った人達がろう下を通ってったような気もする。
・・・あ、そうだ。
今のうちにさっきのあれ、聞いてみよう。
「ねぇ、矢川くん」
あいかわらず自分の席で本を読み始めた彼にそう声をかけると、「・・・なに?」と言いながらも本を閉じて私と向かい合わせになる。
「さっき、先生の事を姉さんって呼んでいたでしょ?あれってどういうことなのかな~って思って」
うまく言葉にできなかった気がするけれど、矢川くんにはちゃんと伝わったみたい。
数回まばたきをすると、私の質問に答えてくれた。
「・・・いとこが保健の先生をやってる、って前に聞いたことがあって。幼稚園に入園する前に会ったことがあるって母さんは言っていたけれど、そんなの僕は覚えていないし、とりあえずはじめましてが一番いいかなって思って。・・・実際に僕の中でははじめましてだしね」
・・・出た!矢川くんの特技『言葉マシンガン』。
言葉マシンガンとは、長文を噛まずにすらすらと言う矢川くんがアニメでよく見る必殺技みたいだな~って思って、私がこっそりつけた名前。
・・・・・・もちろん、矢川くんには言ってない。
「でもこの学校にいる、っていうのはつい最近まで知らなかったんだけれどね。こっちは僕の・・・家族の方の姉さんから教えてもらった」
そう付け足すと、矢川くんはまた本を読み始めた。
「そうなんだ!教えてくれてありがとう、矢川くん」
「ん、どういたしまして」
お礼を言って、アリスのクラスに行こうと席を立つ。
多分まだ私が倒れたままだと思ってるだろうから、目がさめたよって教えてあげないと。
そう思いながらろう下に出たとたん、アリスっぽい人を見つけた。
まちがいない、あの茶色い髪、アリスだ!
・・・と思ってたら、そうじゃなかった。
まぁ、何人かはこっちを見たけれど。
よく見れば、教室には10人ちょっとのクラスメイトしかいなくて。
なんでだろう?と不思議に思ったけれど、壁の時計を見てその理由に気がついた。
——今、昼休みじゃん。
そういえば、さっきチャイムがなってたっけ。
それから、保健室から出た時にボールを持った人達がろう下を通ってったような気もする。
・・・あ、そうだ。
今のうちにさっきのあれ、聞いてみよう。
「ねぇ、矢川くん」
あいかわらず自分の席で本を読み始めた彼にそう声をかけると、「・・・なに?」と言いながらも本を閉じて私と向かい合わせになる。
「さっき、先生の事を姉さんって呼んでいたでしょ?あれってどういうことなのかな~って思って」
うまく言葉にできなかった気がするけれど、矢川くんにはちゃんと伝わったみたい。
数回まばたきをすると、私の質問に答えてくれた。
「・・・いとこが保健の先生をやってる、って前に聞いたことがあって。幼稚園に入園する前に会ったことがあるって母さんは言っていたけれど、そんなの僕は覚えていないし、とりあえずはじめましてが一番いいかなって思って。・・・実際に僕の中でははじめましてだしね」
・・・出た!矢川くんの特技『言葉マシンガン』。
言葉マシンガンとは、長文を噛まずにすらすらと言う矢川くんがアニメでよく見る必殺技みたいだな~って思って、私がこっそりつけた名前。
・・・・・・もちろん、矢川くんには言ってない。
「でもこの学校にいる、っていうのはつい最近まで知らなかったんだけれどね。こっちは僕の・・・家族の方の姉さんから教えてもらった」
そう付け足すと、矢川くんはまた本を読み始めた。
「そうなんだ!教えてくれてありがとう、矢川くん」
「ん、どういたしまして」
お礼を言って、アリスのクラスに行こうと席を立つ。
多分まだ私が倒れたままだと思ってるだろうから、目がさめたよって教えてあげないと。
そう思いながらろう下に出たとたん、アリスっぽい人を見つけた。
まちがいない、あの茶色い髪、アリスだ!