初恋とチョコレートと花束と。
カラオケ・・・!歌うのは好きだから行ってみたい!
初めて行く場所にわくわくしていると、お姉ちゃんが呟いた。
「あれ、ねぇいつものカラオケ店ってさ、確か四人から割引されるって書いてあったよね?」
へぇ、そんなのがあるんだ。
私にはあまりよくわからないけれど、そんなに詳しい・・・ってことはお姉ちゃん達はよく行ってるのかな?
「んー、あ、じゃあうちの本の虫でも連れていこっか。たまには外に出た方がいいだろうし」
・・・本の虫って、もしかして弟さん?
たまには外に出た方がいいって、学校とか行ってないのかな?
「っていうかいつの間にかカラオケに行くって話になってるけれど、綾ちゃんはそれでいい?」
「あっ、はい!カラオケ行ったことないので、楽しみです・・・!」
急に話を振られてちょっとびっくりしたけれど、自分の思ってることを伝えると美由紀さんは嬉しそうに笑った。
・・・・・・というか、弟さん大丈夫なのかな?お腹すかせて待ってるって、さっき言ってなかったっけ。
「そういえばそうだね。忘れてたよ」
そう言うと、美由紀さんはリビングのドアを開ける。
その後ろをついてく、私とお姉ちゃん。
――あ、そうだ。
ちょっと気になったことがあって。
「ねぇ、お姉ちゃん」
「ん、どうかした?」
「美由紀さんの弟さん、って何歳か知ってる?」
こっそりと聞いたつもりだったんだけれど、美由紀さんにもしっかり聞こえてたみたい。
「――うちの弟?ふふっ今ね、小学3年生」
3年生・・・ってことは私と同い年だ!
どんな人なんだろう・・・。優しくて色々お話できる人だといいな。
「じゃ、後で連絡するわ。またね、綾ちゃん」
お邪魔しましたー、と言って美由紀さんは帰ってった。
それにしてもカラオケかぁ。私の学校の校歌とかも入ってるかな?
他に知ってるのは・・・うーん、なんだろう・・・。
「――そういえぱ、お姉ちゃんはいつもカラオケでどんな歌を歌ってるの?」
リビングの机で宿題をしながら、夕飯の準備をしてるお姉ちゃんに尋ねてみる。
結局、自分で考えても何も思い付かなかったんだ。
お姉ちゃんなら初めて行く私よりも詳しいだろうし、いろいろと教えてくれそうだな、って思って。