フェイス
時間にしたらたった数秒ほどだったと思う。


けれどその時間はあたしにとって永遠のように長い時間だった。


唇を離したカナタ先輩は、そのままあたしの頬にチュッと音を立ててキスをした。


「好きだよナナ」


そう言って、カナタ先輩はあたしを抱きしめたのだった。
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