フェイス
「あははっ。ユナちゃん目を閉じちゃダメだよ。しっかり球を見なきゃ」


隣で勇がそう言い、ストライクを打った。


「すごい! すごいね勇君」


勇が運動できるタイプだなんて思っていなかった。


どちらかといえば体を動かさないタイプだと思っていた。


「普通だよ」


あたしに褒められたことで頬が真っ赤になっている。


カナタ先輩のように女馴れしていない勇を見ていると、胸がキュンキュンしてきてしまう。


ずっと勇を見ていたい。


だから勇のことが好きなんだと、自分自身で理解していく。
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