フェイス
「バッティング全然ダメだったね」


バッティングセンターを後にしてあたしはそう言った。


勇に色々と教えてもらったものの、結局1度も当てる事ができなかった。


あたしには向いていないスポーツのようだ。


「最初はそんなもんだよ。ごめんね、つまらなかった?」


額の汗を手の甲で拭ってそう聞いてくる勇。


「楽しかったよ! あたし、あんまり体動かさないし、新鮮だった」


そう言うと、勇はまた頬を赤らめた。


反応がいちいち初初しい。


これならあたしの身長だってそんなに気にはならないだろう。
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