フェイス
「これからどうしようか」


勇にそう聞かれてどこかファミレスでも入ろうと言おうとした時だった。


頬に痒みが走った。


それは痛みの伴う痒みで、たまらず顔をしかめる。


「ユナちゃん、どうかした?」


「ごめん……ちょっと、トイレに」


そう言い、近くのコンビニへと駆け込んだ。


ビリビリとしびれる痒みを我慢できなくて、あたしはそこでフェイスを剥がしてしまった。


頬にはブツブツができていて、その数個が潰れ、今度は黄色い汁が出てきているのがわかった。


心なしか異臭もする。
< 154 / 271 >

この作品をシェア

pagetop