フェイス
すると彩羽が呆れたようにため息を吐き出した。


「葉月はもっと積極的にならなきゃダメだよ」


「え?」


食堂に入り、メニューを見ながらあたしはそう聞き返した。


「葉月は自分が思ってるよりもっと可愛いんだからさ」


彩羽がそう言い、食券を買った。


あたしが可愛い……?


「どうしたの? 早く行くよ?」


「あ、うん」


あたしはそう返事をして、慌てて食券を購入したのだった。
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