フェイス
そこに愛情がないことは、誰がどう見ても明白だった。


「もうやめてくれ。俺は彼女ができたって言っただろ」


「後輩の子だよね? だけど、2年生にそんな子はいないよ」


美春先輩の言葉にハッと息を飲んだ。


カナタ先輩のことが好きだから、そんなことまで調べているのかもしれない。


もうとっくに諦めたと思っていたのに!


「嘘をつくのはやめてくれ」


カナタ先輩は本当に迷惑そうにしている。


それなのに、美春先輩は引き下がらない。


学校1にの美男美女が言い争いをしている姿は目立つ。


行きかう生徒たちが2人に好奇心むき出しの視線を向けている。
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