フェイス
それにはさすがに我慢ができなかった。


カナタ先輩はあたしの彼氏だ。


「ちょっと、なにしてんの!」


あたしはそう声を上げて2人の間に割って入っていた。


2人が驚いた顔をあたしへ向ける。


「カナタが迷惑してるでしょ!」


かまわず、あたしは美春先輩へ向けてそう怒鳴った。


「え……?」


美春先輩は目を見開き、あたしを見つめる。


「もしかしてカナタの彼女って、この子?」


その言葉にあたしは背筋を伸ばした。


が……「違うよ」カナタ先輩の冷たい言葉が飛んできた。
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