フェイス
けれど、体のだるさがこれは現実なのだと物語っている。


「初めての相手がカナタ先輩だなんて……」


そう呟いて、顔が熱くなるのを感じた。


これで美春先輩ももうなにも言ってこないだろう。


すべてあたしの思う通りに進んでいる。


そう思い、ベッドに仰向けに寝転んだ。


ホテルの優しい光に瞼が少しずつ重たくなってくる。


夢におちて行く瞬間、カナタ先輩のスマホが鳴っているような気がした。
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