フェイス
それだけで優越感に浸ることができた。


勇からのメールを何度も読み直し、あたしはボリボリと頬をかいた。


皮膚が裂けて血とウミがにじみ出る。


ツンとした悪臭が鼻を刺激する。


だけどあたしはみんなから愛されている女の子なんだ。


もしかしたら、これから取り合いとかされちゃうかもしれない。


頬をかいた指先に血がこびりついた。


顔のあちこちがカサブタになり、それがはがれてまた血が滲んでいる。


「大丈夫だよ、あたしはとっても可愛いんだから」


両手で頬をひっかきながら、あたしはそう呟いたのだった。

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