フェイス
「梓が何を言ったか知らないけど、気にしなくていいから」


「……うん」


あたしは頷いて、そのままオレンジジュースをとひと口飲んだ。


「俺のせいで不愉快にさせてごめん」


「ううん。あたしは大丈夫。ただ1つ、気になった事があって」


「気になった事?」


「そう。梓ちゃん、葉月の事を嫌いみたい」


そう言うと、勇は驚いたように目を見開いた。


「梓と葉月は仲がいいはずなんだけどな」


「あたしもそう思ってた。でも、梓ちゃんは葉月の事を悪く言ってたよ? 葉月はあたしの友達だから、ショックで……」


そう言ってうつむいた。
< 228 / 271 >

この作品をシェア

pagetop