フェイス
他人が葉月という人間をどんなふうに見ているのか、なんとなく理解し始める。


あたしはユナのような綺麗な子と友達でいられるような外見じゃないってこと。


そう考えると胸が鈍く痛み、同時に頬に痒みを感じた。


思わずフェイスの上から頬をかいてしまう。


下の皮膚までは刺激が来なくて、爪を立ててひっかく。


「ユナちゃん?」


「みんな葉月の事を誤解してるよ」


あたしはそう言ってほほ笑んだ。


葉月は明るくて、本当は可愛くて、オシャレで、とってもいい子なんだよ。


そんな事を頬をひっかきながら勇に伝えた。
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