フェイス
彩羽はどうしてこんなあたしに優しくしてくれるんだろう。


いつか彩羽が遊びに行こうと誘ってくれた時、あたしは卑屈になって断ったのに。


「彩羽があたしに優しいのはどうして?」


気になって、つい口に出してそう聞いていた。


「え? だって友達じゃん」


「あたしが引き立て役になるからじゃくて?」


そう聞くと、彩羽は驚いたように目を見開いた。


「な……んで……そんな事言うの?」


彩羽の表情が見る見る内に歪んでいく。


「ご、ごめん彩羽。実はそんな風に思われてたってことがわかってさ……」


「誰がそんなこと?」


「梓。あの子、あたしの友達のユナと会ったの。それで、ユナには色々話してたんだって」
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