フェイス
☆☆☆

家に戻ってから、あたしはようやくパソコンを起動させた。


退院してからまだ1度もパソコンを立ち上げていない。


今日勇があたしに話しかけたそうにしていたけれど、それは無視してしまった。


きっとユナの事が聞きたかったんだと思う。


けれど、ユナのフェイスは捨てられてしまった。


勇とユナが出合うことは、もう二度とないんだ。


そう思うと、自分から避けてしまった。


「あ~あ、せっかく勇と付き合えたのに……」


そう呟いてメールを確認する。


案の定、デートから勝手に帰ってしまったユナを心配し、勇から沢山のメールが送られてきている。


ユナは勇に愛されている。


それが十分に理解できるメールの内容だった。
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