フェイス
『申し訳ございません』


女性はそれだけ言うと、電話を切ってしまったのだった。


あたしはしばらくその場から動く事ができなかった。


もうフェイスを購入することができない。


あたしはユナには戻れない。


「そんなの嘘でしょ……」


立ち尽くした状態でそう呟いた。


なんで?


どうして?


お金ならまだまだあるのに、どうしてあたしは美人になれないの?


「嘘だよ、あたしは可愛いもん……」
< 257 / 271 >

この作品をシェア

pagetop