フェイス
あたしに興味がなくなってしまったようで、写真の女の子とのメールが忙しそうだ。


「なんで……あたし、初めてだったのに!」


「そういう子も何人か相手してきたよ。俺が初めてで嬉しいって言ってたけど?」


冷たいカナタ先輩の言葉に、気が付いたら涙が流れていた。


確かにあたしはカナタ先輩の顔だけに惹かれていた。


カナタ先輩がどんな人かなんて、全然知らなかった。


でも……カナタ先輩ならいいと思って、ホテルに来たのに……!


悔しくて、情けなくて、涙が止まらない。

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