フェイス
あたしはそのまま近くのコンビニに入った。


いつも使うコンビニで、見慣れた男性店員の姿がある。


特に欲しい物はないけれど、ジュースを一本持ってレジへと向かった。


「いらっしゃいませ」


そう言う店員の声がいつもよりも大きい気がする。


お金を支払い、買い物袋を持って歩き出した時、後方から声が聞こえて来た。


「あのお客さんメッチャ可愛いな」


「俺も思った」


「近所の子じゃないな」


「でもさ……服ダサ……」


一瞬足が止まりかけた。
< 29 / 271 >

この作品をシェア

pagetop