フェイス
するとすすり泣きの声が聞こえて来たのだ。


あの美春先輩が泣いてる!?


「男はカナトだけじゃないって。美春なら、すぐにいい人が見つかるよ」


美春先輩の友人らしき人が、そう言って慰めている。


美春先輩とカナト先輩はまだ付き合ってはいないが、もう秒読み状態だと聞いていた。


それが、なにか問題でもあったんだろうか。


「美春以外の子に声をかけるような男、忘れなよ」


その言葉に昨日のナンパを思い出していた。


カナト先輩は元々遊び人だったんだろうか。


それを美春先輩が知ってしまったのかもしれない。


「相手の子……すごく可愛い子だった」
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