フェイス
勇の頬はほのかに赤らんでいる。


「ねぇ、ユナのこと好きになったの?」


そう聞くと、勇はあからさまな動揺を見せた。


視線を泳がせ必死で冷静さを装っている。


「べ、別にそんなんじゃないけど……」


モゴモゴと口ごもりながらそう言う。


その態度はユナに恋していますと肯定しているも同然だった。


「ユナも勇のこといいなって言ってたよ」


そう言うと、勇の表情がパッと明るくなった。


「そ、それ、本当か!?」


「うん。本人から聞いたから間違いないよ」
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