絶対彼氏
☆☆☆

「ついて来てもなんにもないってば」


放課後、あたしはサッカー部の見学をやめて成美について歩いていた。


これから真っ直ぐに家に帰るだけだと言うけれど、本当かどうかわからない。


「なんにもないのに、どうして困った顔してるの?」


あたしはそう言いながら、成美の横にピッタリとくっついて歩く。


「もう……」


成美は大きくため息を吐き出して立ち止まった。


「正直に言うよ」


「やっぱりあたしのアンドロイドを持ってるの?」


「そうじゃないの。あたし、これからデートだから」
< 250 / 280 >

この作品をシェア

pagetop