絶対彼氏
「そうかもしれないけど、完全に一致までは行かないでしょ」


「そりゃそうだよ。相手はアンドロイドだしねぇ」


どうせなら完全に一致してほしい。


見た目があれだけ似ているのに、他の部分は似せられないなんて嫌だ。


「洋二、なんか今日声が変じゃない?」


不意に優奈のそんな声が聞こえて来た。


「なんか風邪ひいたみたいなんだよなぁ」


そう言って喉を押さえている洋二。


「大丈夫? のど飴あるよ?」


「あぁ。サンキュー」


教室内でヘラヘラしている2人に、あたしはそっぽをむいたのだった。
< 63 / 280 >

この作品をシェア

pagetop