復讐日記
☆☆☆

今日ほど仕事終わりが待ち遠しかったことはないかもしれない。


閉店までの時間が随分と長く感じられる。


店内に蛍の光が流れ始めた時、あたしの頬は緩んでいた。


蛇の死骸はきっとまだ残っている。


あたしをイジメていたあの男が、それを踏みつけるんだ。


「なんだか楽しそうな顔してるね」


吉野さんにそう言われて、あたしは自分の頬に手を当てた。


「そうですか?」


「今日1日ソワソワしてたし、もしかしてこれからデート?」


「違いますよ」
< 114 / 321 >

この作品をシェア

pagetop