復讐日記
そう聞くと、吉野さんは深刻そうな表情を浮かべた。


「それが1万円も違うの」


「1万円!?」


あたしは目を見開いてそう聞いた。


「うん。こんなに違う事って今までなかったでしょ?」


「そうですね……。ごめんなさい、あたしが隣についていたのに、気が付かなくて」


「ううん。海老名さんのせいじゃないけど……でもあの子、ちょっと性格的にどうかと思う」


吉野さんが小声になってそう言った。


「そうですよね……」


あたしは曖昧に頷く。


吉野さんの意見には大いに賛成だけれど、それを表に出すことはできなかった。
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