復讐日記
「そういうの、よくないよ」


あたしは小さな声でそう言った。


「あたしじゃない! あたしはなにもしてない!」


「だけど監視カメラにはちゃんと写ってた。その場で首にならないのが不思議なくらいだよ」


智子がなんと言おうが言い逃れはできない状況だ。


智子は下唇を噛みしめて俯いている。


「無意識の内にお金を盗んだなんて、誰が信じると思う? みんなの顔を見てみなよ」


あたしがそう言うと、智子は顔をあげてパートさんたちを見回した。
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