復讐日記
いつの間にこんなにヨボヨボになってしまったんだろう。


その様子に少しだけ胸が痛み、あたしは右手の傷口を確認した。


ゴンに付けられた傷をあたしは忘れていない。


ヨボヨボになるまでずっと健康で過ごして来たゴンなのだ、最後くらい苦しんでもらっても問題ないはずだ。


あたしはそう思い、ゴンを見た。


今度はゴンの姿に笑みが浮かんだ。


どれだけ強い犬でもここまで年老いてしまえばみんな同じだ。


怖さなんて少しも感じなかった。


ゴンはフラフラしながら歩いて行く。


あたしはその後を追いかけた。
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