復讐日記
☆☆☆

「ごめん、待った?」


たっぷり15分ほど遅刻して、あたしは約束場所に到着した。


待っていたのはこだわった私服に身を包んだ宏哉だった。


「全然待ってないよ」


そう言い、笑顔を見せる。


しかしその鼻の頭は赤くなっている。


今日は今年一番の冷え込みだと言っていたから、わざと遅れて来たのだ。


「他のみんなは?」


そう聞くと、宏哉が申し訳なさそうな表情を浮かべた。


「それが、急きょ来れなくなったんだ」


「え?」


思わず表情が険しくなってしまう。
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