復讐日記
こんな寒い日に一体どこへ行くの?


心の中でそう質問する。


ゴンは答えずにどんどん進んでいく。


まるで、なにかに導かれるように歩いて行く。


辿りついた先は小学校の下にある用水路だった。


懐かしい光景にあたしは目を細めた。


この小学校にあたしも毎日通っていた。


その頃にゴンに手を噛まれたんだ。


ゴンが用水路の前で立ちどまる。


寒さは激しさを増し、用水路の勢いも強い。


もし、万が一にでもここへ落下すれば、老いぼれ犬なんて簡単に死んでしまうだろう。
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