復讐日記
「すごく疲れた顔してる」


智子の言葉にあたしは自分の頬に手を当てた。


「嘘でしょ?」


「嘘じゃないよ。なんか別人みたいになってるじゃん」


鏡で自分の姿を確認して愕然としたあの日から、なるべく明るい表情を作るように心がけていた。



それでも、あまり変化がなかったようだ。


「あたしは智子よりもずっと幸せだから平気」


あたしは吐き捨てるようにそう言い、大股で歩き出したのだった。
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