復讐日記
「なにそれ、意味がわかんないよ」


自分の声がひどく震えている。


「あたし、宏哉の悲しむ顔なんて見たくない」


花音はあたしから身を離し、そう言った。


「花音そんなの冗談でしょ?」


「本気だよ」


花音は冷たい表情であたしを見おろす。


「剛への復讐は宏哉を悲しませる。だからもう、あんたの復讐はおしまい」


「それなら……どうしてあたしのことをそこに書いたの!?」


叫ぶようにそう聞くと、花音はおかしそうに笑い始めた。


「わからない? この日記は復讐日記だよ? あたしがあんたの名前を書いたのは、宏哉が受けたことへの復讐のため」
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