復讐日記
ようやく、痛みが訪れて顔をしかめる。


しっかりと突き立てられた刃物。


「あははっ」


花音の笑い声が聞こえてきて、あたしは振り向いた。


そこにいたのは今まで1度も見たことのない、汚い笑顔を浮かべた花音だった。


「すごいね、復讐日記って」


「花音……助けて」


か細い声でそう言った。


傷口から少しずつ血が流れ出している。


痛みで全身から力が抜けて、1人では立ち上がることもできなかった。
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