復讐日記
あたしは途中から口ごもってしまった。


「あんた、特別な日記を探しに来たの?」


不意に低い声でそう聞かれて、あたしは奥さんを見た。


奥さんはさっきまでの笑顔を消し、真剣な表情をしている。


なにか知っているのかもしれない!


「そうです。こういう日記じゃなくて……」


「今日入荷したばかりの日記が一冊あるよ」


奥さんはそう言い、大きめの段ボール箱を取り出した。


思わずゴクリと唾を飲みこんだ。


やっぱりこのお店だったんだ。


花音はここで買ったんだ!
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