復讐日記
「そんなことないよ。ちょっと悩んだだけ」


宏哉は慌ててそう言って左右に首を振った。


「それなら教えて?」


「兄貴の彼女の名前は幸田ミオリだよ」


へぇ……。


ミオリって言うんだ。


「可愛い子?」


「まぁ、そうだなぁ」


首を傾げる宏哉。


「俺から見れば彩愛の方が可愛いけど」


そんなありきたりな言葉で女が喜ぶと思ってるんだろうか。


あたしはニッコリとほほ笑んだ。


「ありがとう宏哉。映画はまだ今度一緒に行こうね」


あたしはそう言い、宏哉をその場に残して歩き出したのだった。
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