復讐日記
雨はどんどん強くなり、雑貨屋に到着するころにはずぶ濡れの状態になっていた。


「あら、また来たの?」


奥さんがあたしを見てそう言い、タオルを差し出してくれた。


「あの、さっき女の子が買い物にきましたよね?」


あたしはタオルで顔だけ拭いて、そう聞いた。


「来たわよ。あなたが入らないって言った幸せ日記を買って行ったの」


幸せ日記!


嫌な予感は的中した。


ミオリはあの日記を購入したのだ!


「どうしたの? やっぱり欲しくなった?」


そう聞いてくる奥さんに、あたしは左右に首をふった。
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